回数も進みましたるところ、今回のPartにて【欧州見聞録 オーストリア ウィーン『食事編』】、千秋楽にござります。
前回までのあらすじ
・音大生時代、ウィーンに短期留学
・成田→ウィーン フライト時間約11時間
・可も無く不可も無い機内食
・ウィーン到着
・寮母のわけわからん飯に困惑
・街に出て読めないメニューで賭けに出る
・K君の顎を火炙り(髭剃り)
・エセ日本食、美味しくない
最近読者になったよーって方
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一ヶ月近くも現地にいればそれなりに適応できるもんなんですよ。
遂に自炊に手を出すようになりまして、食材を手に入れる為に市場に行ったりなんかしだします。
非常にヨーロッパらしい市場ですね。
この他にも、休日には蚤の市なんかが開かれていました。
多くの人でごった返していたんですが、スリには要注意です。
寮に帰って友人TやK君とこんなものを作ったりしました。
シチューっぽい煮込み料理のなにか。
やっぱりヨーロッパでも外食は高いですからね。
節約をするために自炊をする事も大切です。
とは言ってもですね、この渡航の本来の目的は短期留学ですから、勉強したり楽器の練習したりとかでそんなに食事を作る時間はありません。
食事の事しかブログに書いていませんが、料理を勉強しに行ってたわけじゃないですからね。『食事編』が終わったらまた違う側面からウィーン体験をまた書いてみたいと考えています。
勉強会やらレッスンやらが夕方遅くまでかかってしまった場合はどうしても外食に頼ります。
しかし毎食そんなにお金を出してはいられませんからファストフード店に頼りがち。
マクドナルドに似たような店に入って注文するんですが、店員の態度が日本とは大違い。
口ピアス、鼻ピアス、腕に入れ墨を入れたねーちゃんがガムを噛みながらの接客です。
これはこわい。
カウンターでメニューを読みながら悩んでいると舌打ちされる。
これは海外だからなのか、それともこのねーちゃん特有の現象なのか。
ファストフード店っていう安めな店だからって事もあると思いますが、ちょっと日本では見られない光景でしたね。
店員にめっちゃ圧をかけられたK君なんてテンパって
「お…お…おお…ぽぽ…ぽ…ぽ…おteto(ぽてと)」しか言えず
「はぁ!?」ってキレられて本当にLサイズのポテトしか渡して貰えてなかったし。
さて、クセのある料理、店を色々と書いてきましたが、いよいよウィーン生活も残り僅かになってまいりました。
ある日友人Tが皆にある提案をします。
「歴代の先輩達がこぞって美味いって言ってる店があるから、皆で行こうぜ」
どうやらそこはビアホールらしいのですが、料理やビール以外のお酒も美味しいとの事。
その日は丁度短期留学の最終講義が終わり、試演会のような小さな本番も終わったので少し贅沢をしようという事になりました。
店内の写真は見つからなかったのですが、かなりキャパの広いレストラン兼居酒屋みたいな感じ。とても大勢の人がいて賑やかでした。
美味い肉が食べられるという事で期待してオススメの定番メニューを注文すると出てきたのがこちら。
↓↓
骨付きスペアリブ。
これで一人前。
めちゃくちゃシェアサイズなのにこれで一人前。
女の子なんかは2人でシェアしても食べきれないくらい。
これは食べきれる気がしない。
いやでも頼んでしまった手前、残すわけにはいきませんね。
20代前半の馬力なら何とかいけるでしょう。
30超えた今じゃ絶対一人で完食するのは無理。
肉の量もさる事乍ら、付け合わせのジャガイモがもの凄い濃いスパイスで味付けされていて腹にガツンとくるんです。
3種類ソースあるけど、重さ的にはどれも大して変わらないしね。
パンや米がないだけまだましだった。
あとやっぱり体と頭がバグってんだなと思ったのがバキュームカーのKo先輩。
これに追加でピザ頼んでたし。
数十分格闘の末、脳内でロッキーのテーマ曲を流しつつ最後の肉の一切れを口にします。
遂にウィーンに勝った。
Ko先輩を見てみると、とっくに自分の分はたいらげて他の人の残飯処理に従事していました。
やっぱりどうかしている。
最後に酔ったK君が先輩から教えてもらったという締めの酒を人数分頼みました。
メモを見せての注文だったので何が出てくるかは頼んだ本人も分かっていない様子。
出てきたものはこちら
↓↓
絶対満腹状態で飲んじゃいけないやつですね。
これが6人分運ばれてきました。
後で調べたらアルコール度数45%。
既にビールで肉を流し込んでいた体にこれはまずい。
でもまあそこは学生ノリですね。
「ウィーンサイコーーっ!ぷろおおおおすとおおおお!!!(Prost=乾杯)」
と、やりたかったところなんですが僕、テキーラダメなんですよ。
生まれて初めてテキーラを飲んだ時、青山の街が廻っていましたからね。
道路と歩道の間にある茂みをベッドに寝てしまおうかと思ったくらい酔っていたので、あまり良い思い出はありません。
その時の教訓を活かして少し舐めるだけで終わりにします。
その後は、
「K君が酔っ払って頼んだから1つ多く来ちゃったよ!だから頼んだおめーが飲めよ!!責任取れ!!」と、知略を張り巡らしてK君になすりつけます。
K君は「あれ?俺いくつ頼んだっけ?6だよな?」とか正しい数字を言っていましたが、間違えていたと押し通します。
K君「えーーっと…1.....2..3....4..5....」
僕「5+2は!?」
K君「え!7!?」
僕「ほら!!!7!!!」
K君「そっか!多いな!!じゃあ俺飲むわ!!」
時蕎麦みたいなのやってみたら、本当に成功した。
やっぱ酒ってこわいわ。
酔っ払いのよくわからないやり取りでK君に全責任を押しつけることに成功。
僕は泥酔回避できました。
なんか肉の量が多いだの酔っ払っただの色々書きましたが、味は凄く美味しかったです。
ウィーンに行った際にはもう一度行きたい店。
店名を覚えていないし、場所もかなりうろ覚えなので行けるか分かりませんが…
全体的に日本では有り得ないほどスパイスが濃かったんですが、それでも何故か胃はもたれないといった感じ。
これだけ食べて12~13€(1,500円くらい)だったと思うんですけど、日本じゃこの値段でこの食事は出来ないなーと思いましたね。
この店がウィーン滞在で1番美味しい店でした。
大満足。
次の日は短期留学最終日、いよいよ帰国に向けて色々と支度を始めます。
幸いにも、僕は酒が全く残っていなかったので色々と作業を進められました。
普段、街に一緒に行く連中は皆二日酔いで潰れていたので、女友達のMちゃんとウィーンの街に最後の買い物に行きます。
やっぱり、一緒に行動する人が変われば食べるものも変わりますね。
野郎共と一緒だと全く目に入らないスイーツだのお菓子だの見て回ることになります。
どうやらMちゃんはウィーンに来たからにはどうしても名物のザッハトルテを食べたいんだそうで。
たまにはそういう食事もあって良いかなと思い2人でウィーン中心街に行きました。
Part2でTやK君と来た同じ店です。
あらかわいい。
満腹中枢を満たす事しか頭にない僕からしたらこんなの一口ですよ。
味は見た目通りのチョコケーキかと思いきやジャムみたいな風味も感じられます。
かなりコッテリ味。
砂糖を使っていない生クリームがついてくるので、それで口直しをしながら食べるのが正しい食べ方なんだそうです。
Mちゃんは僕よりでかい口してるのに女の子らしくちまちまこれを食べるんですよ。
堪能してんのか減ってくのがもったいないのか知らないけど、何故にそんな食べるのが遅いのか。
ああもう待てないイライラする。
あまりに食べるのが遅いので、ソーセージ三種盛り合わせセット頼もうかと思った。
その後はウィンドウショッピングに付き合う事になります。
「わー!あれきれい!」「これ買おっかなー!」「これもいいなー!」
既に一通り買い物を済ませてしまって退屈な僕は、「へーそうだね」「いいねいいね」「Mちゃんに似合うんじゃない」とか最初はテキトーな事言ってMちゃんに調子を合わせます。
それでも中々買い物が終わらず、僕の足がそろそろ悲鳴を上げだしてきたので帰ろうオーラを出しますが鈍感なMちゃんには伝わらない。
とうとう僕のアウトドア充電が切れます。
M「ぴあかな、これかわいくない?」
ぴ「あっちにいる金髪のお姉ちゃんの方がかわいい」
M「見て!あの店員さんのネックレスいいな~!」
ぴ「僕はネックレスよりその下の胸の方がいい」
M「……飽きてる?」
ぴ「わりと…」
M「ごめん…」
ぴ「こちらこそ」
ようやくMちゃんは買い物ペースを上げてくれて無事に終了しました。
きっとこういうところですよ。
僕が恋人達にフラれてきたのは。
まあこんなやり取りが出来るのがMちゃんの良いところ。
仲良く無事に寮に帰ります。
二日酔いで潰れていた連中も元気になっていました。
そこで朗報が。
どうやら今日(最終日)はあの寮母だか給仕係だかよくわからないシュテファンさんがお別れする皆に腕によりをかけて夕飯を作ってくれるんだそうです。
ウィーンに到着してすぐの僕らにこんなゆで麺と惣菜だけを置いていった給仕係のシュテファンさん。
余談ですが、ここまで当たり前のようにシュテファンさんって書いてますけど、本当の名前は忘れてますからね。もしかしたらクラウディアさんだったかもしれない。
で、いつも究極の手抜き飯を作り置きしていく彼女。
無表情な人でして、寮に来ても言葉も交わさず無言で料理とも呼べないものを置いていくスタイルだったので正直皆もどっちかというと好きではなかったようです。
しかし、最終日はしっかり料理を作ってくれました。
しかも笑顔で「Dozo!(どうぞ)」と日本語で言ってくれたのです。
なんかパスタも味付けされたものまでちゃんと出してくれる!
普段より早く寮に来て鶏肉まで焼いてくれてる!
なるほど、これが彼女からの餞別なんだな。
最後の最後でやっと彼女の本格的な料理が食べられるぞ。
皆、期待に胸を膨らまし食卓に料理が並ぶのを待ちます。
しかも、料理が出てきた後シュテファンさんからお別れのスピーチ付き。
分かりやすいように英語で言ってくれてたんですが、よくわからん。
でも皆これから音楽の勉強頑張ってね的な事を言っているのは伝わりました。
最後の最後で泣かせるじゃねえか。せっかくの料理が涙でしょっぱくなっちまうぜ。
シュテファンさん今までありがとう。あなたの事は忘れないよ。名前は忘れたけど。
いただきます!
見てくださいこれ。
美味しそうなピザでしょ。
寮のすぐそばにあるレストランでこのマルゲリータとレモネードを注文しました。
最終日の夕飯としては可も無く不可もなくといった感じでしょう。
日本のものと比べて味は多少濃いですが、最後まで美味しく頂く事が出来ました。
唐突な場面転換に驚かれた方もいるかもしれません。
あれ?最終日の夕飯は寮でのシュテファンさんの御馳走ではなかったっけ、と。
いやそれがですね、あのシュテファンとかいう女の料理、Akakikoレベルでして。
しかも、Akakikoはエセ日本食だから美味しくないっていうのもまだ分かりますが、シュテ飯って何処の国でも誰でも作れそうなやつなんですよ。
それが鶏肉には火が通ってないだジャガイモは固すぎるわパスタの麺は全てひとかたまりになってるわで食えたもんじゃない。
バキュームカーKo先輩に全てを託して、思わず外食で口直しをしてしまいました。
正直よくこれで給仕係できるなってレベル。
料理が出来る友人が作った飯の方が確実に良いわ。
感動を返せ。
全4Partに渡ってウィーン短期留学時の食事を書いてきましたが、まとめと致しましては
日本の飲食環境最強!
月並みな感想になってしまいますが、とにかくこれに尽きますね。
日本ではちょっと大きな繁華街に出れば、色々な国の料理がそこそこのクオリティで食べる事が出来ます。
もう2回目は行かなくて良いよねってなる店はあるかと思いますが、その地雷率が日本は明らかに低いです。
味はもちろんの事、店の雰囲気や店員の態度、客のマナー等全て含めての判断になりますが、やはり日本はそれなりの衛生環境と秩序が守られているんだな思いました。
比較的治安が良いとされているウィーンでもこんな感想を抱くぐらいですから、日本が安全な国と言われているのも納得です。
今回の『食事編』では書きませんでしたが、僕はスリに遭いかけたり暴動に近いストライキを目の当たりにしたりと結構恐い体験もしています。
観光で数日間滞在するなら問題ないのですが、そこで生活するってなるとまた話が変わってきますね。
それまでは海外に行ってきた人から「やっぱり日本は良いよー」とよく聞いていましたが、初めて僕自身が海外に出て日本の飲食環境の高さ、というか生活環境全体の高さを身をもって体感する事が出来ました。
さて、全4Partの【欧州見聞録 オーストリア ウィーン『食事編』】いかがでしたか。
この記事の前半にも書きましたが、本来の目的であった音楽の勉強や他の文化の事については、いずれ別の機会に書いていきたいと思います。
おまけ
最後の食事写真はこちら
添乗員から「Chicken or Beef?」攻撃に対して「Beef…」と遂に食べたい方を答えられたChickenな僕。
海外経験を経て少し積極的になれたかも……
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