以前、ブログとYouTubeに投稿した『喜びの島』と同じ本番で弾いた曲です。
piakana.hatenablog.com
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作曲者は同じくC.ドビュッシー(1862~1918)。
曲名は『アルバムのページ Page d’album』。
副題に『戦傷者の衣類のための作品 Pièce pour le Vêtement du blessé 』とつけられています。
何やら物騒な名前の副題ですが、どういった背景があるのでしょうか。
ヒント:この曲が作られたのは1915年。
1914年の7月28日に第一次世界大戦が開戦。
開戦当初、出征する兵士達はその年の12月には皆自宅に帰ってクリスマスを祝えるだろうと楽観的でしたが、その予想は大きく外れる事に。
それまでの戦争のように兵隊さんだけがドンパチやる戦争ではなく、参戦国の国民全員が戦争に関わる『総力戦』となった戦争です。
それに加えて、飛行機、戦車、機関銃、毒ガスといった近代兵器が次々と投入され、参戦国は多大な被害を出し泥沼化。
最終的に当時のヨーロッパ5大国(英、仏、独、露、墺)を中心に数十ヶ国を巻き込む大戦争へと発展してしまいました。
1918年まで続いたこの戦争でヨーロッパは戦勝国も敗戦国も満身創痍。
一応、終戦はしましたが戦後処理は難航し21年後に起こる第二次世界大戦への布石を打つ結果となってしまいました。
この時、ドイツで運用されたフォッカーという飛行機(Fokker Dr.I)が僕は好きでして、この飛行機は世にも珍しい3葉(3段)主翼でして。
いや…その辺詳しく書いていくともう戻って来られなくなるので割愛。
戦争が長期化すると、戦災に会った人々を支援する慈善団体が各国に発足します。
主要参戦国のフランスにもその流れはありまして、その中のひとつに『負傷者の衣服 Vêtement du blessé』という慈善団体がありました。
ドビュッシーの妻のエンマがこの慈善団体に参加したのがきっかけで、彼もこの団体にチャリティ活動として曲を提供します。
それが今回投稿した『アルバムのページ Page d’album《戦傷者の衣類のための作品 Pièce pour le Vêtement du blessé》』です。
副題や作曲背景から暗い曲かなと思われるかもしれませんが、そうではありません。
1分半位の短い小品ですが、とても綺麗な曲なので気に入っています。
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