欧州見聞録 オーストリア ウィーン(食事編Part2)という事でですね。
何やら一丁前に連作仕立てにしようと試みているようでございますが、Part1の投稿が11月12日ですよ。
週刊どころか月刊にも満たないペースで自分でも「どうなん?これは」と思ってしまう程でございますが。
簡単なあらすじは下にまとめておきますとして、詳細を知りたいって方は、更にその下のリンク欄Part1からご覧頂ければ、より話を追ってもらえるかと存じます。
前回のあらすじ
・あんまり海外に興味ない小生(というか食べ物に関しては完全マイナスイメージ)
・音大生時代、ウィーンに短期留学
・早朝成田拷問
・成田→ウィーン フライト時間約11時間
・可も無く不可も無い機内食
・ウィーン到着
成田空港から約11時間のフライトを経て、ウィーン国際空港に到着致しました。
もう足がガクガクですよ。
エコノミー症候群予備軍。
約8名ほどの同級生と遂にオーストリアの地を踏みます。
管楽器の友人Tはヘビースモーカーなので11時間もたばこが吸えなかった事で、完全にヤニ切れ状態。
空港に着くやいなや、血眼になって喫煙所を探していました。
本人曰く、「俺はこれがあるから飛行機には乗りたくねえ!だから海外は嫌いだ!」と言っていました。
人には海外が苦手な理由が色々あるようです。
それで今回は『食』にスポットを当てているので、他の事は割愛していきますが、現地の学生寮みたいな所に通されて、基本的にはそこ中心で生活や勉強をしていく事になります。
寮では給仕係のシュテファンさんだかなんだかそんなような名前忘れましたけど、特定の曜日限定で来てくれるんですが、彼女が休みの日は全部自分達でなんとか自炊しろよってシステムです。
で、このシュテファンさんなんですが、せっかく来てくれて何か作ってくれるのは非常にありがたいんですけど、
それがこれ
姑のいびりかと思いましたよ。
麺だけ茹でといたから後は自分たちで何とかやってシステム。
シュテファンさんは反日家なのかと疑わざるを得ません。
でもこれがヨーロピアンワークスタイルなのか…?
どうやら寮で余ったパスタのレトルトソースがあるからそれを使ってとの事だったらしいのですが、状況を理解しないうちの僕らはシュテ飯に度肝を抜かれるのでした。
完成したのがこれ。
以前の留学生が残していったものなのか、明太パスタが出来上がったので美味しく頂きました。
麺は完全にくっついており、ちょっと麺の部分もある小麦粉の塊を食っているようなもん。
見た目は一応パスタですが、ナイフが欲しいくらい。
付け合わせのポテトは一応シュテファンさんが持ってきたもの。
完全にどっかの惣菜コーナーのやつっぽかったですけど。
シュテ飯クオリティ半端なかった。
寮の生活に慣れてきて、数日後。
ちょいちょいと自由時間も設けられ、僕は仲の良い管楽器の友人TとKと3人でウィーンの街へ繰り出します。
一応門限は22時と設定があったものの、オペラとかオケとか聴いて帰ってきたら優にその時間は超してしまうので、その場合はしっかり寮母さんに目的と帰宅時間を伝えておきます。
とは言うものの、そういったものは建前ですね。
学年の中でも活きの良かった僕らはただ外に出たかったので、適当にごまかして門限を過ぎても街を楽しむためだけに外出をしている日もありました。
この日は、まずウィーン中心部にある観光客向けのレストランでビールを飲みます。
Ottakringerというオーストリアのビールです。
日本で言う『アサヒ』や『KIRIN』みたいなポジションの有名なメーカーのものだそうです。
味は色の通り、かなりあっさり。水のように飲めます。
水といえば、現地のスーパーなんて見てもそうでしたが飲料水よりビールが安い。
むこうは水道水が飲めない分、飲料水を購入しなくてはいけないんですね。
ただし、売られている飲料水はそんなに美味しくなかったです。
試しに『硬水』を買ってみたのですが、口の中でヌルヌルする感じで、飲んでも飲んでも喉の乾きが一向に潤わないといった代物でした。
ところでこのビールグラス、反対側になって反転しているので見えにくいと思いますが『0.5L』という目盛りが書かれています。
割と有名な豆知識ですが、ドイツ圏ではビールを注ぐ際、泡を除く液体部分がこの目盛りを超えないといけないんですね。
超えていないと測量法という法律に引っかかり、罰金の対象になるんだとか。
ここでは取りあえず軽食とビールを一杯引っかけて、もう楽器店巡りやア○ルトグッズショップ巡りを堪能した後、少し遅めの昼食を取ります。
さっきのレストランよりもう0.5ランク上のレストランに入ります。
いやー困りましたね。
メニューが全く読めない。向こうのメニューは文字と金額だけで写真が無いですからね。
勿論日本語なんて書いていません。
英語も書いていなかった。結構そんな店もありましたね。
独検3級保持の能力を持ってしてもかろうじて
1.Kaffee(コーヒー)
2.Schokoladen(ケーキ類)
3.vorspeisen(前菜)
4.Hühnerfleisch(鶏肉)
5.Rindfleisch(牛肉)
6.Schweinefleisch(豚肉)
7.Entenfleisch(鴨肉)
8.Suppe(スープ)
といった各ジャンルの見出しが読める程度。
見出しに続くメニューの詳細は殆どわかりません。
例えば『4』の枠組みにある文字を指差せば、鶏肉料理の何らかがで出てくるんだろうな、程度しかわからなかったのです。
僕ら3人は特に好き嫌いも無かったので、まあそれはそれで面白いので適当に頼む事にしてみました。
僕は何となくハズレが少なそうな『6.Schweinefleisch(豚肉)』の欄から1つ選びます。
T君は牛肉料理の何か。K君はソーセージ(Wurst)三種盛り合わせセットです。
料理を頼んでからK君がソワソワし始めます。
理由を尋ねると
「俺さあ、テキトーに頼んじまったけどよー。そばアレルギーなんだよ。大丈夫かな」と心配そうな様子。
本人はWurstの意味をわかっていない模様。
まあ僕はWurstの意味を知ってましたから、ヨーロッパ来てソーセージ三種盛り合わせセットを頼んだ奴が心配する事じゃねーだろと思いつつ
「それそば粉で出来たパンだよ」とかテキトー事言って困らせていたんですけどね。
とかいうくだらないやり取りをしていると頼んだ料理が運ばれてきました。
どうやら豚肉にデミグラスソースがかかったステーキのようなもの。
それに付け合わせでブロッコリーとハッシュドポテトがついています。
値段は細かく覚えていませんが7~8€(1000円くらい)だった気がします。
とても濃いデミグラスソースに日本ではあまりお目にかかれないサイズにカットされた豚肉ステーキを付けて食べていきます。
なんか、日本で食べる豚肉と食感が少し違いました。
歯ごたえがあって脂身が少ない。
そんなに量も無いし、もしかしたら珍しい部位だったのかな。
脂身が少ない分、ソースの味が際立ちます。
パンが来なかったので多分根本的に頼み方を間違っていたんだと思うんですが、とても美味しかったです。
夕方からは、ウィーンでオペラでも1本観劇して帰ろうかという事になりました。
オーケストラやオペラというと日本では非常に敷居が高く、チケットの値段も高価です。
僕も日本では、知り合いのオペラ歌手の招待でしか観に行った事がありません。
オーケストラもオペラも席によりますが数千~数万のチケットばかりですね。
しかし、ウィーンだとオケもオペラも立ち見席であれば10€に満たない金額です。
つまりさっきの豚肉料理より安い金額でオペラ1本観劇する事が出来ます。
それでいて一流のオケや歌手の演奏が聴けるのだから耳が肥えるわけです。
ウィーンのオペラ立ち見席なんてジャージ姿で来ている人もいれば、ただBGM代わりに床に座って聴きながら寝ている人なんてのもいる。
そんな畏まって身構えて聴いている人なんて立ち見席にはいませんでした。
日本じゃ良くいるじゃないですか。咳の1つも許さないザマスみたいなの。
現地を見ていると本当はそうお堅いものではないんだなと思い、良い意味で音楽が生活に密着していると感じます。さすが音楽の都ウィーン。
日本ではどうもお堅くお高いイメージが一人歩きしてしまってそれが良くない方向に傾く事もあります。
惜しいなあ。
とか書きましたが、この日はオペラを観に行かずに帰還する事に。
理由はK君のお酒が回りすぎたのと、雪が降り始めどうやらかなり積もるんだそう。
慣れない土地で天候の悪影響を受けるのは良くないとして、結局この日は何も音楽を鑑賞せず、買い物と飯だけ食って寮に帰るのでした。
日が沈むと、一気に寒くなります。
駅の電光掲示板を見ると『-3℃』。
緯度でいったら北海道より北にあるんだからそりゃそうか。
寮に着くと同時に、雪が強く降ってきました。
ウィーン滞在は暫く続くのだから、また日を改めて街に出ればいいやと思い、風呂に入って温まり体を休めます。
上の写真は、翌日の雪が積もった寮の庭です。
雪だるまを作ったり、メントスコーラをしたり、K君が髭剃りを忘れたのでライターで顎を炙られたりしていました。
今回はここまでにしておきます。
ウィーンに長くいると日本食が恋しくなります。
しかし、本当に日本人が現地で開いている日本料理屋というのは、日本以上にお値段が高くなる物。当時学生の僕らではとても手が出ません。
なので、中国人がやっているエセ日本料理店でエセ日本食を食べたりします。
他にもウィーンの大衆居酒屋で日本じゃ出てこないような物を食べたり飲んだりする話は、次回以降書いていければと思います。
また見て頂けると嬉しいです。
宜しくお願い致します。