なんでパリオリンピックの最中にこの曲なんだと。
いや、でも今回のパリオリンピックは世界各地で戦火が続いている厳しい国際情勢の中で開催された大会なので、ある意味タイムリーなのかも。
どこかで耳にした事のある曲かもしれませんね。
加古隆(1947~)という作曲家が作曲した劇判音楽です。
耳にした事あるよって方の9割は、NHKのドキュメンタリー番組『映像の世紀』を見た時だと思います。この番組のテーマ音楽です。
19世紀末からの映像の記録を当時の回想録や手記のナレーションと共に描いた番組です。
初回放送は1995年で全11集。
結構昔の番組ですが、その人気からかこれまでに何度も再放送がされています。
また、2015年には『新・映像の世紀』(全6集)がNHKスペシャルで放送されています。
こちらもテーマ音楽は同じく『パリは燃えているか』
さて、この『パリは燃えているか』というおぞましいタイトル。
これは1940年、第二次世界大戦時にナチスドイツがフランスを占領した事に由来します。
パリは約4年間にわたりドイツの占領下に置かれますが、連合軍の反撃は徐々に強くなり、1944年にもなるといよいよパリのドイツ軍の旗色も悪くなり、遂にパリから撤退を始めます。
その際、ヒトラーは『パリを敵軍に渡すくらいなら、全て跡形も無く燃やせ』とパリ防衛司令官に命令しましたが、彼はその命令を無視して連合軍に降伏。
命令を無視されたヒトラーは「Brennt Paris!?(パリは燃えているか!?)」とキレ散らかして部下に何度も尋ねたようですが、無情にもヒトラーの命令は誰にも聞き入れられる事はありませんでした。
その後、パリは連合軍によって無事に解放されました。
この曲を作った加古隆は「人間の持つ愚かさと素晴らしさの二面性を表現したかった。」と述べています。
『燃えているか』という破壊的な言葉。これを人間の罪や愚かさの象徴として、『パリ』は、人類が生み出した歴史や文化の象徴だとしています。
そして、先程のヒトラーが言った「Brennt Paris!?(パリは燃えているか!?)」という言葉を引用して作曲したようです。
そういった流れで見てみると、今開催されている平和の祭典のオリンピック。
これは上記の『パリ』と同じ意味合いで、人類の築いてきた歴史や文化の象徴です。
しかし、オリンピックが行われている現在もロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナの紛争等、『燃えているか』に該当する人間の罪や愚かさの部分も止む事がありません。
オリンピック・パラリンピック期間は世界中に休戦を呼びかける『オリンピック休戦』という国際的活動があるにも関わらず世界平和は遠い状態です。
国家や民族間の問題は何世代にもかけて積もってきた事なので、我々一世代で解決するのは非常に難しい問題ばかりだとは思いますが、罪の無い人々が犠牲になる戦争は一刻も早く終わってほしいものです。
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