お久しぶりです。
自民党総裁選が近づいているそうです。
別に僕は政治に精通しているわけでは無いですし、当ブログでも政治ネタは取り扱うつもりもありません。
政治と宗教と野球の話はするなとよく聞きます。
この手の話題はそれぞれにコアなファンがいて、対立しているものを敵視する傾向があるからでしょう。
あえて僕は野球に関してはツッコんでいますが
今年、燕弱すぎひん??
Aクラス入りすら無理ですわ。
今年神宮行けないしまあいいか(゚σ_゚) ホジホジ
で、宗教の話は各々信仰心というものが強い人が多いし、話題の中で批判や偏見、軽蔑、拘りが出ちゃうから辞めた方がいいよねって僕は勝手に解釈しています。
僕はほぼ無宗教ですが、ねんごろな関係になりかけた女性が実は某宗教3世だからちょっとご遠慮させて頂いた、なんて経験もあるくらい。
それくらい気にする人にとっては宗教問題っていうのはナイーブなものなのです。
政治に関しても同じような事が言えますね。
まあそもそも日常会話で右派と左派が相見える事は無いでしょうけど。
『特攻は賛美すべき!』という人と『特攻は恥ずべき行為!』という人の意見が一致するわけ無いです。
こんな事言いながら、今回は選挙の話です。
言うまでも無く、現在の日本は民主主義国家です。
小学生でもわかるくらい掻い摘まんで言うと、民主主義というのは選挙によって選ばれた代表者が国民(有権者)の代表となります。そしてその代表は国民の為になる政治を行います。
その民主主義の原則は多数決です。
選挙によってより多くの支持を得た代表者が当選する事が出来るのです。
良く覚えておいて下さい。
大文字で書いたここ、めちゃくちゃ大事な部分ですよ。
多くの支持を得た代表者が当選。
僕が中学2年生の時でした。
中学校って生徒会選挙ってあるじゃないですか。
『生徒会長』を筆頭に『副会長』『会計』『副会計』『書記』『副書記』みたいな役割がある組織。
学校一のマジメ君やら秀才君やらが『生徒会長』なんか立候補して頑張ってたイメージがあります。
それと比べると『副会計』やら『副書記』なんていうのはどうしても地味なポジション。
正直そんなに能力は無いけど、一応内申点のためにやってみようかなっていうパチモンも立候補してくるわけです。
僕の旧友であるエロヌンティウスもそんな内申点稼ぎの為に立候補したクチでした。
立候補者は選挙前は朝早く登校して、昇降口あたりで『○○に立候補しました~!宜しくお願いしま~す!』とかやってるんですよ。
まあ僕は朝は遅刻ギリギリ、帰りは「さようなら」の号令と共に帰路につくというストイックな中学生活を送っていたので、そんな選挙活動を見る機会は殆どありませんでしたけど。
旧友エロヌンティウスについての詳細はこちら
↓↓
エロヌンティウスは、僕の前でこそ『俺が当選したらエロ漫画持ち込み可にしてやる』とか『学校のパソコンでエロサイトに接続できるようにする』とか到底実施不可能なマニフェストを豪語していたんですが、いざ全校生徒を前にすると『ぼ…ぼくは……あ…ああ…この○○中学校を良くしたい思いで…り…りこうほ…ししました。』とかいうクソの足しにもならないようなテンプレ文章を読み上げてまして…しかしこれでも見事当選。
『副書記』に対抗馬がいなかったエロヌンティウスは見事自分が希望した『副会計』の座に座る事が出来たのです。
この年の選挙は、『副書記』のみならず、全役職に対して立候補者が1人で倍率は1倍だったのです。
ここで察しの良い皆様なら何となくお気づきか、思い出して下さったかと思うんですが、所詮中学校の生徒会選挙なんてママゴト選挙みたいな可愛いものでして、別に立候補者同士がバチバチにぶつかり合うわけでも無く、これを通して選挙というものはね、みたいな学びの一環として行われている一面も強いんです。
だからエロヌンティウスみたいに同じ役職に複数の立候補者がいなければ、つまり倍率が1倍ならほぼ確実に当選するのです。
先生達も、勇気を持って立候補した生徒の事はもちろん褒めますし、倍率1倍に達すれば別の意味でも喜んでいたんでしょうね。
先生サイドからしたら、ある役職に穴が空く事の方がよっぽど嫌でしょうから。
再選挙だの推薦だの面倒くさい手続きに繋がってしまうからです。
さて、先程も書いたとおり僕が中学2年生の時の生徒会選挙なんですが、『生徒会長』、『副会長』、『会計』、『副会計』、『書記』、『副書記』、全ての役職に丁度1名ずつの立候補者が名乗りを上げました。
しかも一部例外を除いて、ほぼ優等生。
過去の例から言うと、倍率1倍で治まる役職は少なく、ママゴト選挙なりに多少は役職争奪戦が繰り広げられていたそうで。
選挙が終わってみると「え!?何であいつの方が票多いの?」なんていざこざもあったりしたんだとか。
いわゆる1人のマジメくんより、人気のある複数のチャラ男くんの達の方に票が流れちゃうパターンとか。いわゆる票割れですね。
正直中学生なんて、勉強できるマジメくんより制服を崩して着こなしスポーツが出来る子の方が人気が出ますからね。
そんな頭の悪い有識者から生まれた当選者達が蔓延ると、先生達も生徒会の操縦が大変。
内心「マジメ君が生徒会に入れば丸く収まるものの…」と、辛酸を舐めていた事でしょう。
ですから、ほぼ優等生が全ての役職に立候補し倍率1倍となった僕の中学二年の年の生徒会選挙は正に役満。
先生達も、ほっと胸を撫で下ろしていた事でしょう。
しかし、タイトルでネタバレしちゃってますが、『副会計』に立候補した根元さんがなんとこの鉄壁の倍率1倍の壁をぶち壊してしまう事件を起こしてしまうのです。
根元さんといえば、僕らと同じ学年の女子です。
根元さんと同じクラスのエロヌンティウス曰く「それはもう中学2年生にそぐわないグラマラスな体型で発達基準から大きく逸脱している」という程のエロエロボディだったらしいのですがどう見てもただの肥満、ルッキズムに厳しい現代風の言い方をすると『ややぽっちゃり』。
性格は控え目なのに思考や見た目はギャル寄りの女の子です。
女子の仲間内では結構人気があったよう。
しかしお年頃かな。男子にはキツく当たる子でして正直選挙に出ても男性票は獲得しにくいだろうなと思っていました。
それでも倍率1倍だから、僕は「とりあえず根元さんも立候補したし当選するんだろうなー」なんて当たり前のように思っていました。
そんな根元さんの選挙戦に暗雲が立ち籠めたのが、立候補者の選挙公約文が載った学校通信の発刊でした。
立候補者全員、中には拙い字ながら誠心誠意を込めてこの度の選挙にかける思いを熱く書き記しています。
クソみたいな字のエロヌンティウスですら『僕が立候補した理由は、○○中学校を良くしたいと思ったから立ち上がりました。』と何やらそれっぽい事を書いています。
「立ち上がるっていうか勃ち上がるようにしてやるぜ」とかアホな事言ってたエロヌンティウスはどこへ行った。
まあ別にエロヌンティウスに限らず『生徒会長』の立候補者だって別にそこまで変わった事は書いておらず、本当にどの立候補者も月並みな内容を載せていました。
その中で一際異彩を放っていたのが根元さんの意思表示文でした。
書いている内容は他の立候補者と大して変わらなかったのですが、再現すると…
フォントがクソギャル文字。
いや、僕が記憶でここまで再現しましたが、本物はもっとやばい。もっと長いし。
警察や軍の暗号解読班を呼んでこないと、とてもじゃないけど解読できないレベル
。ホントにこんなもんじゃないよ。
うちの母親なんて学校通信の根元さんの欄を見て思わず顔をしかめてたもんね。
僕も全文解読は無理でした。
とてもじゃないけど「あー根元さん、立候補したんやな」ってくらいしか伝わりません。多分僕と同じ感想の人は大多数だったと思います。
その証拠に根元さん、見事倍率1倍を落選という伝説を打ち立てる事になります。
誠意なんて見えないもん。全く。
これがね、百歩、いや一万歩譲ってこういう字しか書けない子ならとか、まだ同情の余地はあるかもしれませんが、根元さん毎年硬筆と書道金賞なんですよ。
そんな実力の持ち主なのに大事な選挙公約でやらかしちゃったかー。って感じでした。
もちろんこのフォントが有権者の心を掴めなかったという事もありますが、根元さんの敗因はもう一つ。
それは、倍率1倍という事にあぐらをかいて選挙運動を殆どしていなかったんですよ。
一応、他の立候補者は朝早く登校して選挙活動をしているわけです。
しかし、根元さんはなんなら遅刻ギリギリの僕とほぼ同時刻に登校をしたり、立候補者としての心構えが欠けていたんですね。
そんなこんなで僕のお昼寝タイム『生徒会選挙』が終わりました。
立候補者が連なる名前の模造紙。
選挙終了後に、その名前の隣に当選者は紙で作った花が貼り付けられます。
🌸生徒会長 ○○ ○○
🌸副生徒会長 ○○ ○○
🌸会計 ○○ ○○
副会計 根元 ○○
🌸書記 ○○ ○○
🌸副書記 エロヌンティウス
そう。
そこには無情にも根元さんの落選が記されていたのです。
…まあ仕方ないよね。根元さんの公約文めっちゃ読みにくかったし。選挙活動そんなにしてなかったし。
大半の生徒はそんな気持ちを胸に教室に戻っていったと思います。
で、教室に戻ると選挙結果の話で教室はガヤガヤしています。
「副会計いないねー」「どうするんだろうねー」
しばらくすると、担任が何やら不機嫌そうな表情で教室に入ってきました。
すると開口一番こう言い放ったのです。
「皆さんは無責任ですね。せっかく勇気を持って立候補した人を自分は立候補してないのに反対票を入れるんですね。」
多数決から成る民主主義を根底から覆す発言です。
びっくりしちゃった。
だってあんなに選挙活動に怠惰な根元さんを見ていたら世論は割と芯をついてるんちゃうの?と思っていたんですが、どうやらこの担任からすると『有権者<立候補者』の思い込みが強すぎて標的が僕らになってしまったようです。
更に担任は続けます。
「皆さんはどんな意見の票を入れても無記名ですから良いですね。気が楽ですよね。でも根元さんは顔も名前も出して立候補しました。他に誰も立候補しない中。それなのに落選させるなんて根元さんがどんなに落ち込むかわからないでしょうね。」
なんだこいつ根本家から賄賂でも握らされたんか?と疑いたくなるほど。
それかあれか。
根元さんが当選するか落選するかで仲間内で丁半博打を張って、自分が外したから激おこぷんぷん丸なのか、と推測してしまうほど理不尽な理屈でした。
今でもなんで担任があそこまでブーブー言ってたのかは謎ですが、さっきこの話を妻にしたら、「それってさ、その根元さんの公約文をそのまま学校通信に載せた学校側にも問題あるよね。」と、20年越しに的を射た意見を頂きました。
確かにあそこまで規格外のフォントと他の立候補者と、比較にならない程怠惰な選挙活動だったらどこかのタイミングで指導をするべきだったのかもしれませんね。
なんかそれもしないで全ての責任を有権者にぶん投げられて、結果が思う通りにいかなくて無責任って言われるのもどうなのかね。
結局、根元さんはその後再立候補はせず、なんかどこから出てきたかよくわかんない奴がいつの間にか推薦って形でしれっと『副会計』に就任していました。
国政やら区議会やら市議会の選挙が近づくと、何かと毎回思い出す選挙の思い出。
どんなに小さな選挙でもその根元には何か裏の力が潜んでいるのかも……
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