Piakanaの日記

音大ピアノ科卒。クラシック、ポップス、ジャズさまざま弾いています。音楽の事、日常の事など不定期投稿していきます。YouTubeに動画投稿していますのでリンク欄からご覧下さい。

人生初めてのピアノ発表会の思い出

人前で演奏するということは、ある程度場数を踏んできてもそれなりに緊張します。

特に人前で初めて演奏する…なんて時は、そんなの未知の領域ですからその緊張は計り知れないものです。

 

音大時代に、「演奏会?試験?伴奏?いや別に全然緊張しな~い」と飄々としてる人がいましたが、大体強がってるか頭のネジがどっか抜けてるかのどっちかです。

大体の人間は多少なりとも緊張します。むしろ多少の緊張感があった方が本番にはいいスパイスになります。

 

ここを読んで頂いてる方で「発表会に出たことあるよ」という方。

初めての発表会、または数十年のブランクを経て久しぶりに出演した発表会であれば緊張は尚更だったのではないでしょうか。

 

 

ぴあかなの発表会デビュー戦は小学校の2年生の時でした。

ピアノを始めたのが小学校に入る少し前だったので、ピアノを始めて1年半くらい経った頃。曲は確か簡単なロンドだったと思います。

当日まで緊張せず割と意気揚々とピアノに向かっていた気がします。さあ暗譜もしたし来て見やがれ!的な感じでした。

 

当日は正直あまり覚えていないのですが、小洒落た格好をして会場の最寄り駅に両親と行ったのを覚えています。

 

会場では順調に発表会が進行していきます。

「1番 ○○さん 曲は△△作曲○○ 将来の夢はピアノの先生になることです」

「2番 ○○さん 曲は△△作曲○○ 将来の夢はケーキ屋さんになることです」

「3番 ○○さん 曲は△△作曲○○ 将来の夢はお花屋さんになることです」

年齢順だったので幼稚園児のかわいらしい子どもたちがアナウンスとともに入場して演奏をしていきます。

このアナウンス、舞台袖にいる時に聞くの嫌いなんですよね。

自分の順番に近づくにつれ、死刑宣告が迫ってきてるみたいで。音大に入っても最後まで苦手でした。

自分の番のアナウンスなんて、普段巡回しかしない看守がある朝いきなり死刑囚である僕の監獄の前に来て「囚人番号21578番出なさい」の宣告と同じですよ。ですがこの宣告があるおかげで僕も「お世話になりました」と心に覚悟を決めることができるのです。いや何が同じなのかもうなんかよくわからない。

 

話は戻りますが、いよいよぴあかなの順番が近づいてきました。

演奏順も小学生層に突入です!

初陣が迫ってる!これが武者震いというやつか…

 

そしていよいよ……

 

「○番 ぴあかなさんは本日、体調不良でご欠席です。続きまして…」

 

幼きぴあかなさんの身に何が起こったのでしょう……。

 

なんてことはありません。体調はすこぶる良くピンピンしてました。

緊張のあまり尻尾を巻いてばっくれただけです

立派な敵前逃亡です。軍隊だったら軍法会議で銃殺刑ものです。

武者震いというかただびびって震えてた。

かすかに残る記憶では、最寄り駅の改札を出た所で、目の前で親が殺されたんじゃないのってくらいの勢いでギャン泣きしました。母親が楽譜を出してなんか言ってたのを尻目にとにかく泣いてた。きっと必死に「頑張ってきたんだから行こうよ」とか「大丈夫だよ」とか説得してくれていたんだと思うんですが完全に右から左。

端から見たら、小洒落た格好したガキんちょが散々喚いているんで養子に出される子と両親のお別れに見えてたかも。

その後は、会場に足も運ばず撤退。

今思えば、きっと発表会出演料も出してくれたり、急に休むといった連絡を会場や先生に取ってくれたり多大な迷惑をかけたんだなと思います。

色々ありましたが、やっぱり出演してれば良かったなと今でも思います。

 

でもこの話、実際子どもたちの発表会を運営する側となった今、役に立つときもあるんです。やっぱり緊張して舞台袖で泣いちゃう子どもってのはいるんですよね。

おいおいヴァイオリン持って今からその顔でステージに上がって泣きっ面正面から晒すのかいって思うくらい顔をクシャクシャにしている子とかいるんですけど、そんな時「僕も小さい時、発表会の時緊張しちゃって泣いちゃって、なんと発表会から逃げちゃったんだ。でも大人になった今でもあの時頑張れば良かったなって思うよ。そうならないように楽しんできてね。今日頑張ればきっと良い思い出になるよ。」って言ってあげるとケロッとして落ち着かせることができたんです。その子は演奏後、家族と一緒に笑顔で帰っていきました。教職履修しといて良かった。

 

 

ぴあかなはその後2年毎にある発表会にはしっかり出演することができました。

小学4年生でモーツァルトトルコ行進曲、小学6年生でショパン軍隊ポロネーズ

となんか難易度のインフレが起きましたが(今思えばとても聞けるものではない)人前で弾くことができる少年になることができました。

2年生の発表会以降はばっくれたことは一回もありません。どんなミスしても、暗譜飛んで止まったとしてもそれはそれで次の糧になりますし、トラブルがあっても結局時間が経てば良い思い出になります。

「発表会、少し怖いな…緊張するしどうしようかな…」くらいに思ってる方は思い切って出演されてみては如何でしょうか。良い思い出ができますよ。モチベーションの向上にもなります。ばっくれは後悔しかしませんのでオススメしません!

 

 

まあ今は再三家事をばっくれてますが