Piakanaの日記

音大ピアノ科卒。クラシック、ポップス、ジャズさまざま弾いています。音楽の事、日常の事など不定期投稿していきます。YouTubeに動画投稿していますのでリンク欄からご覧下さい。

【模型製作】これは戦車か否か

ジオラマ企画第2弾は着々と進行しているんですが、模型編が早く見たいというお声がありましたので、企画とは別に以前作った模型を載せたいと思います。

ジオラマ企画第2弾とは別枠です。

そちらはもう少々お待ちください。

 

僕には20年以上続けている模型製作という趣味があるんですよ。

piakana.hatenablog.com

普段こんな感じでやっています。

 

今回また新たに結構凝った作りの物が完成したので、紹介していきますね。

ただ残念な事に、ブログに載せる事を念頭に置いて作ってはいなかったので製作工程の写真はあまり残っていません。

ミリオタ雑学を読むつもりで。

 

 

模型製作

 

今回作った模型がこちら

↓↓

ジオラマ企画第1弾で取り上げたキューベルワーゲン同じく第2次世界大戦時にドイツ陸軍で使用された『対戦車自走砲マーダーⅡ(Jagdpanzer MarderⅡ)』

なんか見慣れない言葉が多く出てくるなーと思う方も多いと思うのですが、詳細は置いておき取りあえず模型から見てみてください。

 

とか言いながら、冒頭でも書いた通り製作過程の写真が少ない為、もう車体上部の完成写真!

車体上部。基本塗装完了時①

車体上部。基本塗装完了時②

キューベルワーゲンと同じく多くのドイツ軍車輌に用いられたダークイエローで塗装。

マーダーⅡはアフリカ戦線に送られたキューベルワーゲンと違い、はたまた遠い東部戦線(ロシア戦線)で使用された車輌です。

砂漠じゃないのにダークイエローって目立たないのかなと思うんですが、案外ロシアの大平原に溶け込む色だったようで最初はグレーだった車輌もダークイエローに塗装され直されています。

勿論、冬季は目立つので白塗装がされていました。

 

ダークグリーンで斑点迷彩を施し、車体下部を取り付けたら完成です。

↑↑

キャタピラはまだつけていない状態ですが、ほぼほぼ完成しました!

これにキャタピラをつけたら、説明書に沿った9割程は完成します。

 

 

ですが、ここで終わらせる僕ではありません。

 

 

キューベルワーゲンの時同様、説明書に書かれていない加工、塗装をしていきます。

 

・塗装の剥離

・車体の傷

・煤汚れ

・油汚れ

・タイヤやキャタピラの足回りの汚れ

・錆表現

 

などなど、、

他にも細かい塗装や加工を施して完成した物がこちら!

↓↓

 

まず正面写真です。

どうでしょうか。

僕のこだわりとして、そして目標としているのは『プラスチック感の消去』と『戦場での使用感』です。

少しは目標に近づけたかな。

 

上で載せた基本塗装(ダークイエローダークグリーン)の完了した車体の上に冬季迷彩(白)を塗りました。

しかし、当時使われていた冬季迷彩の白色塗料は応急的な物で割とすぐに剥がれ落ちてしまっていたそう。

だから塗り立てでもなければ殆ど残らないんですね。

雪や雨に晒されてすぐに下の色が見えてきます。

それと共に車体の上から下に流れ落ちた雨の跡を錆が追っていきます。

それに加え、常に戦場を走り回り煤汚れや埃が車体にこびりつきます。

といった、塗装表現です。

車体を草むらや森に隠しておくカモフラージュ素材も載せてみました。

結構リアルになったんかなと思います。

 

因みに実車の写真も残っていますので、それらも参考にしていきます。

↓↓

マーダーⅡ。Wikipediaより。

こうやって見てみると特に足回りなんてとてもばっちいですね。

 

 

外に剥き出しの車内も拘ったポイントです。

↓↓

車内(戦闘室内部)①

車内(戦闘室内部)②

ここもかなり風雨に晒される部分だと思いますので、強めの汚しと錆表現。

 

満足満足(・ω・)!

 

 

戦車か否か

 

 

かっこいい戦車できたねー!

 

 

……

 

 

いや、

 

 

これ戦車ではありません。

 

「え、履帯(キャタピラ)ついているし、大砲ついてるから戦車やん」って思う方も多いかも知れませんね。

 

僕も昔はそうでした。

「キャタピラで走って大砲を搭載したら何でも戦車やん」と。

 

冒頭で書きましたが、このマーダーⅡというのは戦車ではなく対戦車自走砲という車種なんです。

戦車とは似て非なる全く別の物。

詳しく書くとめちゃくちゃ長くなるし多分「もうええわ。訳わからん」と読者離れに繋がるので過去の模型作品を見ながら少しだけ2つの車種の違いを書いてみます。

 

「なんやこれ難しいやろ」と思う方は過去の模型作品の紹介だと思って読んでみてください。

 

まず、戦車と言われてイメージするのは次の写真のような物だと思います。

↓↓

ドイツ陸軍 ティーガー重戦車

ドイツ陸軍 パンター中戦車

アメリカ陸軍 M4シャーマン中戦車

 

どれもキャタピラをつけて大砲を載せていますね。

 

続いて対戦車自走砲の模型写真。

↓↓

ドイツ陸軍 対戦車自走砲マーダーⅢ①

ドイツ陸軍 対戦車自走砲マーダーⅢ②

ドイツ陸軍 対戦車自走砲ナースホルン

日本陸軍 一式七糎半自走砲

日本陸軍 一式七糎半自走砲

こちらもキャタピラをつけて大砲を載せていますね。

 

『戦車』『対戦車自走砲の違い、分かりましたか?

 

まず見た目での大きな違いは、大砲を載せている場所が囲まれているか剥き出しになっているかの違い。

大砲を載せている周囲を囲まれた部屋を『砲塔』と言います。

戦車には、基本的にこの『砲塔』がついているんですね。

この『砲塔』に人が入って戦います。

そして、この砲塔の大きな特徴が360度旋回する事。

旋回する事により、動く目標に対しても素早く対応出来ます。

いわば『旋回式砲塔』というわけです。

 

それに対して、対戦車自走砲戦車のような囲まれた部屋はありません。

一応大砲の部分を指して『砲塔』と呼ばれる事もありますが、乗員が剥き出しの物も多く、開放式(オープントップ)となっています。

さらに戦車と大きく異なるのは『砲塔』360度旋回できない所にあります。

いわば『固定式砲塔』というわけです。

ですから、動く目標を追尾して対応するのは戦車より苦手。

 

「え、それなら戦車より弱いやん」って思うかも知れませんが、戦車より車体に対して大型の大砲が搭載出来るというのがメリットです。

『旋回式砲塔』は車体に対して大砲以外の機構も色々搭載しなければいけないのでなにかと車体に負荷がかかります。

『固定式砲塔』であれば車体にかかる負荷の多くを大砲のみに割く事が出来ます。

動く目標を追尾するのが苦手という特性上、走り回って攻撃すると言うよりは待ち伏せ攻撃なんかに多く利用されたようです。

 

あと戦車より安い。

何だそんな事かよと思うかも知れませんが、資源の少ない国にとっては少しでも安く強い兵器を揃えたいのでしょう。

敗戦国に自走砲が多いのも何となく頷けます。

まあそもそも資源が少なかったから戦争始めたようなもんだし……。

 

他にも運用法とか必要性とか色々違いはあるんですが、長くなるので割愛。

 

ミリオタとしては、この時代の兵器は一つずつにその国のお国柄が反映されているのを見る事が出来るのが楽しみであったりします。

 

まとめ

かつて何回かありましたけど、誤解されたくないのは兵器の模型作ってるイコール戦争賛成っていうのね。

零戦が好きな人でも、特攻隊を賛歌する人は極右で無い限り殆どいないでしょう。

それは飛行機として、機械として、ある部分の経歴が好きなだけであってイコール戦争崇拝者にするのはちょっと飛躍しすぎ。

 

僕は別に右でも左でもないし、ブログで政治的な事を書いたりする気も知識も無いですからあまり声を大にして言いません。

というか無知なので言えません(*⌒▽⌒*)☆彡

戦争は勿論繰り返してはいけない非道な物だと思いますが「もうやめましょうね!」「昔こんな恐い事がありました!ごめんなさいしましょうね!」の一点張りでは、当事者(戦争体験者)がいなくなったら時代と共に風化してしまいます。

「昔こんな恐い事がありました!」の背景には、何があったのか。

何故恐ろしい事に発展していったのか。

そこを蔑ろにしてしまってはまずいんじゃないのかなと。

 

そういった惨禍を再び繰り返さない為にも、学校で近代史の学習をもう少し深く掘り下げて良いんじゃないのかなと思います。

最近はどうだか知りませんけど、僕がまだ子供だった時。

例えば小学校高学年で1年かけて習う日本史なんて1学期には

縄文時代弥生時代の遺跡から土器が出た!大発見!もう胸がドキドキ!」

「納豆ネバネバ(710)平城京、鳴くよウグイス(794)平安京、良い国作ろう(1192)鎌倉幕府←(最近は良い箱(1185)らしいですが)」

みたいなのを何ヶ月もかけて勉強。

 

2学期に入ると戦国時代、江戸時代。

戦国時代なんか流れや結末だけ知れば良いのに、『武将について』の調べ学習→発表なんかでダラダラやってかなり時間を使います。

江戸時代も戦国時代と同じで『伊能忠敬について』の調べ学習、みたいな名目で班に分かれて調べ学習&発表。

それぞれの班が異なる戦国武将をリサーチするならまだしも、全6班が一斉に伊能忠敬を調べると何が起きるか。

所詮小学生のリサーチ能力ですよ。

結局はどの班も内容がほぼ被りのクソダルプレゼン大会が始まるんですね。

本当に無駄に時間を浪費していた感が今でも忘れられません。

 

3学期、いよいよ僕の好きな明治~昭和時代が到来するぜ!と楽しみにしていたら

ペリーが黒船で来て幕末転換期。最後にちょこっと明治大正昭和。

子供ながらにこの学習ペース配分おかしくね?と肩透かしを食らってしまいました。

ちょっとこれじゃあ最近の日本がどんな道を歩んできたのか捉える事は出来ないでしょ…と小6ながらに思っていました。

 

来年は戦後80年。

終戦時にハタチだった若者が100歳ですよ。

戦争体験者が減る中で、貴重な体験は語り継いでいくと共に近代史の根底を素直な目で見直していっても良いと思うんですよね。

素直な目で見たからって世論がすぐに好戦派になるわけでもあるまいし。

まあご近所さん達の顔色もありますから、強く出られないのも分かりますが…

ですがそろそろ歴史を自虐的に見過ぎるのを控えていっても良いんじゃないかなと思います。

 

 

大脱線!!

ホント悪い癖…

 

 

…模型の話題から大きく逸れてしまいましたが、例えば旧日本軍の兵器模型なんて作ってみると「なんでこんなんで戦争始めたんやろうな」とか「本気でこれでアメリカに勝てると思ってたんかなぁ」と考えさせられる事もあります。

このように学校で習った歴史とは違う角度から歴史を見つめる事が出来るのも模型製作の醍醐味!

毎回作る度に新しい発見があるのでやめられません。

 

 

もうすぐジオラマ企画第2弾が完成します!

第1弾や今回の物とはガラッと思考を変えていきます。

もう少々お待ちください。

 

 

 

あ、今書いていて僕の戦争反対の理由が1つ見つかりました。

 

せっかく作った物が壊れるのが勿体ない!!

 

 

 

 

 

 

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