絶対に聴いた事あります!
「曲は知ってるよ。でも作曲者の事はあまり知らないよ」って方が多いかと思いますので簡単にご紹介。
作曲者はエリック・サティ(1866~1925)。
19世紀後半から20世紀前半にかけてフランスで活躍した作曲家です。
有名なフランスの作曲家であるM.ラヴェルやC.ドビュッシーの先輩にあたる人ですね。
この人、相当な変わり者だったようで性格も作風も中々クセが強いです。
まず彼の作風の特徴としてあげられるのが『家具の音楽』という事。
「なにそれどゆこと?」って思った方は、ご自宅にある様々な家具を見渡してみてください。
恐らくそれらの家具は、生活空間を妨げないように置かれ、ひっそりとその場に馴染んでいるかと思います。
サティの目指した音楽というのは、それらの家具のように『主張の激しくない音楽』『生活に密着した音楽』『意識しないで聴ける音楽』というものです。
現代風に言えば、BGMとかイージーリスニングにあたります。
そういった音楽の先駆者となっていったわけですね。
大きい立派なコンサートホールで「俺こんなにピアノ弾けちゃうんだぜ!?惚れるだろ!?もっと聴けよおおおおぉぉぉぉ!」みたいな事やってたF.リストとはえらい対照的です。
その場の雰囲気を阻害しない音楽という事で、サティの音楽は静かなものが多いのが特徴です。
しかし、その作品名は変なものが多いです。
『胎児の干物』
『犬のためのぶよぶよした前奏曲』
『犬のためのぶよぶよした本当の前奏曲』
『嫌らしい気取り屋の3つのワルツ』
『右や左に見えるもの~ 眼鏡無しで』
『いつも片目を開けて眠るよく肥った猿の王様を目覚めさせるためのファンファーレ』
この一部の作品ラインナップ見るだけでもやべえ奴だなってのがわかるかと思います。
しかし、題名こそ変わったものが多いですが、聴いてみるとその名前に反して耳に馴染む音楽が多いです。
それこそがサティのユーモアの狙いだったのかもしれません。
彼は伝統的な西洋音楽からの脱却も目指しており、文学的に言えば規定に捉われない散文的なものです。
「縛られたくない!自由な作風を出したいんだ!」って事で、楽譜の中に拍子記号や調号、更には小節線、終始線等を書かなかったのも大きな特徴です。
因みに『ジムノペディ』というのはギリシャ神話に登場する神々を讃える祭典『ギュムノパイディア』が由来だそうです。
この祭典、若い大勢の男が裸で踊りながら詩を朗読するっていう激しめなものなのですが、それとは対照的に静かな曲にしたのも、またサティの遊び心なのかもしれません。
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