先日、脇腹の痛みで横になっていた僕の携帯にこんなショートメールが届きました。
なんか頼んだっけ。
殆どの場合、我が家のネット注文品は妻から依頼しているので、僕の方に連絡が来る事はまずあり得ません。
脇腹が痛くてベッドでうんうん唸ってる僕に配慮して、インターホンは押さずに置き配しておいたからURL見て確認しとけよって事か。
なんて優しい配慮をしてくれる企業なんだろう。
僕が以前勤めていた会社なんかより100万倍温かみがある。
そう思いながら、このショートメールをそっと削除します。
そんなわけありません。
このメールのURLを踏むと『お客様の情報照会を致します。携帯番号とパスワード及びカード番号を入力して下さい。』みたいな画面に飛ばされて、うっかり信用して個人情報を入力しようものなら送信者に情報を抜き取られてしまします。
実は詐欺なんですねこれ。
フィッシング詐欺という恰も本当にありそうな業者からの連絡を装って、個人情報を抜き取ろうという詐欺です。
実は僕も3年程前に、個人情報を入力はしなかったのですが、こういった詐欺メールのURLを開いてしまった事があります。
当時、結婚をして引っ越しやらでバタバタする毎日が続いていました。
引っ越し業者と日取りのやり取りもあったりした中で、一通のショートメールが僕の携帯に届きます。
『引っ越しの日取りでご連絡させて頂きました。こちらからご確認下さい。URL~』
後々になってこれ程偶然が重なるタイミングでこれが届くのかと思いましたが、その時の僕は「??……もしかして何かあった?」と思いURLを踏んでしまったのです。
Topページには、『すぐに連絡と入金の確認が取りたいので、携帯番号とカード番号を入力してくれ』という内容でした。
この時点で詐欺だと確信。
何度か連絡を取っている引っ越し業者が改めて僕の携帯番号の開示を求めるわけないし、そもそもカード持ってない。
危ない危ない。
幸い何も被害はありませんでしたが、自分の身の回りに起きている事と、同じようなタイミングで同じような通知をされると、結構騙されそうになるものです。
皆様もお気を付け下さいませ。
総務省からも注意喚起がされていますので、暇な方は読んでみて下さい。
総務省の詐欺注意勧告の他のページを見てみると
・マイナポイントに乗じた詐欺にご注意下さい!
といった時勢を利用した詐欺まで登場してきている模様。
毎度、不謹慎ながらこういった詐欺の台本を作成している奴は頭が良いんだろうなと思います。
さらに、どうやら最近はその総務省職員を電話で名乗り、個人情報や金品を奪おうなんて詐欺もあるそうです。
マジでいたちごっこ。
少しでも怪しいと思ったら、とにかくすぐには返答せず、一端頭を冷やして色々調べるなり消費者センターに相談するなりして対応しなければなりませんね。
僕のブログでは以前から度々詐欺に関する記事を書いています。
上記リンクは他人メインの話なんですけど、引っ越しフィッシング詐欺のように僕自身が詐欺に引っかかりそうになった事もあります。
まあ夜な夜なスマホを見ていると、僕も男です。
そういう可愛い女の子が出演している動画を見たくなる時もあります。
これは仕方の無い事なんですよ。
皆さん、お腹がすいたら何か食べ物を食べるでしょう?
のどが渇いたら何か飲み物を飲むでしょう?
眠くなったら横になって眠るでしょう?
それと同義です。
で、そういうアダルチーなサイトにいざなわれるわけじゃないですか。
重ね重ね言いますが、これは仕方の無い事なんですよ。
そこにはピンク色の単語が陳列していて、暫く徘徊しているとタイプな可愛い女の子の動画サムネイルを発見。
しかし大事なところが再生ボタンで隠れています。さあ大変!
隠れてる部分がどことは言いませんが「この再生ボタンの位置が邪魔だくそっ!都合良く隠しやがって!見えねえじゃねえかよ!」と、躍起になって再生ボタンを連打すると、
『ご登録ありがとうございます!24時間以内に下記の金額をご入金下さい!詳しくはこちらまで ℡.080-~~~』
ほらまたオラ踏んじまっただよ。
ページもバックできないし動画も見れないし。
ここで提示された電話番号に電話をかけたらアウトです。
そこで相手は氏名、住所、口座関連等、様々な個人情報を聞きだそうとしてきます。
古典的なワンクリック詐欺ですが、今でも生き残っているという事は未だに電話をかけて入金しちゃう人がいるんですね。
男の性欲を利用して金を巻き揚げようなんて酷い連中です。
そんなの揺らぐに決まってるじゃないですか!
という冗談はさておき、大人になった今だからこそ冷静な判断を持ってして対処が出来るわけですが、思春期の子どもだったらどうでしょうか。
恐らくめちゃくちゃ焦って、怖い思いをしちゃうんだと思います。
実際、親同伴で消費者センターに駆け込んだという友人がいます。
時代は00年代中頃です。
平成初期型の僕は中学3年生の時に初めて携帯電話を買ってもらいました。
両親は別に持っていてもいなくてもどっちでもいいんじゃない?って感じでしたが、塾に行ったりピアノのレッスンに行ったりで帰りが遅くなることが増えてきたから持たせてくれたんでしょうね。
周りの携帯電話の普及率は大体クラスの2人に1人の生徒が所持しているといった感じでした。
別に携帯電話が無くても特にこれといった不便も無く、持ってる人皆と連絡を頻繁に取るといった時代でもありません。
皆で連絡を取り合うツールも無かったしね。
本当に仲の良い友達とだけ連絡先を交換するといった程度でした。
連絡先を交換すると言っても、中学校に携帯電話を持ってくることは禁止でしたから、紙に携帯番号やメアドを書いて交換するという古典的な方式しかありませんでした。
でもまあ、教師の目を盗んで持ってくる奴はいるんです。
特にチョイワル集団は堂々と授業中に携帯電話をいじったりして教師に没収されたりしていました。
中学3年生の時に同じクラスだったツッチーも毎日携帯電話を学校に持ってきていました。
彼はチョイワル集団には属さない一匹狼だったものの、かなり素行が悪い。
でもどこか憎めないといったタイプです。
以前ブログに書いたヤンキーのリッキーとは異なるタイプです。
小学生の時から僕らはお互いの事をよく知っており、何故か高確率で同じ班でかなり仲良くしていました。今思えば僕が担任にツッチーの監視役をさせられていたのでは…
彼と同じ班で行った京都の修学旅行はそれはもう大変で大変で。
ツッチーがいつどこで何をしでかすかわからないもんだから、いつもそわそわしてました。とても修学どころではありません。
彼が、文化財や寺に1ミリも興味を抱くわけがありません。
唯一、清水寺に来た時に
「俺ここ知ってる。きよみず寺っていうんだぜ!しみずじゃなくてよぉ!」
とドヤ顔で言ってました。
「ツッチーはすごいんだねぇ!なんでも知っているんだねぇ!」
と周りが煽てると、さらに調子に乗り始め
「おい富山!清水の舞台から飛び降りるってことわざ知ってっか?」
と、国語担任の富山先生に絡みに行きます。
富山先生は「あーはいはい知ってる知ってる」とテキトーに流していますが、
「じゃあ見てろ!」とツッチーは言って、清水寺本堂の柵を跳び越え反対側(外側)に立ちます。
本当に一回清水の舞台から飛び降りて、頭を強打した方が少しはまともになるんじゃねーのって感じです。
その後、説教役の教師に怒られても彼の鋼の精神は全く揺らぎません。
後日、班単位での自由行動中に売店で万引きを働く等、同行した身となっては散々な修学旅行でした。
そんな彼ですが、学校生活において人に危害を加えるといった行為をする事は無く、どこか愛嬌があり人気者でした。
ある日、教室で人が少ない時間を見計らってツッチーが僕に携帯電話を見せてきます。
そこには一枚の写メが映っていました。
「ツッチー!これは!?」
彼が見せてきた写メは電信柱に貼られたピンク広告です。
最近は、インターネットの普及により、又風営法が厳しくなったのか激減したんですが00年代中頃は街中の至る所にピンク広告が貼られていました。
デリバリーヘ○ス
60分 12,000円~
080-****-****
人妻 ホテルOK
60分 12,000円~
090-****-****
こんな怪しげなピンク広告ですね。
親と車に乗っていると色んな所で目にします。
例えば、通り過ぎるガードレールや電信柱。
子供心に何となくいかがわしいものだと察知して、親に聞くに聞けない。
でもそこは中学3年生。色々と異性に興味を示すお年頃です。
なにか性的なコンテンツにあることには間違いない!気になる!
デリバリーへ○スってなんだ!
健康を宅配してくれるってどういう事や!
この電話番号の向こうにどんな桃源郷が広がっているんや!
そんな事を気にして仕方が無かった矢先、ツッチーからのアプローチです。
「ぴあかな~俺ここに電話しちまったよぉ!」
なんとツッチーはこの広告が何であるかを知っているどころか、電話までかけてしまっていたようです。
「マジで!?ツッチーすげえな! で、これは何なん?」
「なんだおめー知らねーのか!俺が教えてやるよ。ここに電話するとな。言った場所に女が来んだよ。」
「え?それってもしかして…」
「そうだよ。まあそういうのを仕事にして金稼いでんだろな。」
「え?ツッチー電話したって言ったけど。誰か来たの?」
「来た!「ツッチーです(本名)。そこのセブン前に女の子1人お願いします。可愛い子でお願いします。60分で!」って言ったらマジで来たんだよ」
「マジか!そういうシステムなのか!え、話した?話した??」
「ブスだからそのまま無視した」
なんかセブンイレブン前まで女の子を呼んだらしいんですがツッチーは物陰からこそこそにやにや見ていただけのようです。
まあ本当にその女の子を買おうなんて気は全くなくて、ただの中学生のイタズラです。
その間に折り返しツッチーに着信があったようですがガン無視。
その後、暫く女の子はツッチーの事をキョロキョロ探していたらしいのですが、時間が経つと車が迎えに来て去ってしまったようです。
本人はただのイタズラ感覚だったんでしょうけど、陰キャぴあかな君からしたらもの凄い勇気のある行動です。
それこそ自分から携帯番号や本名を晒すなんて正気の沙汰じゃありませんが、僕は彼から絶対に公教育では教われない社会勉強を1つさせてもらったのです。
自分から怪しい風俗広告を踏みに行くなんて、こいつぁすげぇや!
ツッチーとは高校1年生の夏休みに会って一回遊んだ以来、連絡を取る事もだんだん減り疎遠に。
何度か携帯電話やアドレスを変えている内に連絡先もわからなくなってしまいました。
どうやらホストをやっているという事が風の噂で届いては来ましたが。
そして、中学を卒業し5~6年経ったある夏の日です。
音大生になった僕は、実技試験を終え伴奏をした管楽器の友人K君と繁華街で飲んでいました。
飲んでいたのは繁華街の大通りから一本裏道に入った居酒屋で人通りも少なくなります。
そういう所なので少し怪しい店も軒を連ね、キャッチのお兄さんも多くいます。
僕らみたいに若い男が2人で飲んでいたらお兄さん達から見たら絶好のターゲットです。
そろそろ家に帰ろうかと、店を出て大通りに向かう途中で
「お!お兄さん達ちょっと寄っていかへん?」
「可愛い子おるよ?どう?」
「ちょっとなら触れるよ?来ちゃいなよ」
彼らは、ありとあらゆる言葉で誘惑してきます。
そんな店に興味は無いですし、持ち合わせもないのでスルーしていると
「ねえねえ。お兄さん。たまってない!?案内しますよ。この裏の店に良い女の子がいるん……!? ぴあかな!?」
「ツッチー!?」
なんと僕に話しかけてきたポン引きはあのツッチーでした。
感動の再会(?)です。
風俗広告に誘われていた奴が、今度は風俗に誘う側にまわっていました。
元ホストなのか今もやっているのかはわかりませんが、髪は金髪。ホストスーツなんか着ちゃって、昔を知っているから似合っているようないないような…
ルックスは変わってるとは言え、思った以上にツッチー要素が多く残っていたので、すぐに普通に話す事が出来ました。
「何してんのツッチー笑」
「見ての通りだよ。ぴあかな元気そうやな!」
「何の店笑」
「たぶんかわいい女の子いるよ!」
「たぶんって何。え、俺が今から店行きたいって言ったらどうする?」
「いやあ…ぴあかなだからな。昔の友達だし…案内して変に金取れねぇわ」
何やらかなり高額請求をしようとしている店なのか、そこに元クラスメイトを案内することは出来ず、ツッチーはちょっとばつが悪そうに笑っていました。
普段どういった商売をしているのか深入りはしませんでしたが、彼らしい良心は少し残っている様子。
「あんまり悪い事してしょっぴかれるなよー」
と、言うと
「ギリギリでやってっから大丈夫!」
何がギリギリなのかわかりませんが、なんか裏のルールがあるのでしょう。
それがツッチーに会ったのは最後でしたが、地元では目撃情報があったりと今もまあ何かしら元気でやっているらしいです。
その時は、たまたま友人がポン引きだったので相手もこちらを客と捉えなかったというのが背景にあります。
しかし、通常であれば案内されるがままに店に通されると、思いもよらないトラブルに巻き込まれる事も十分考えられます。
少し前に話題になっていたのは、ぼったくりバーですね。
飲み放題4,000円の名目で着いていくと、実はプラス数万円をチャージ料として払わされたり、水やお通しも法外な値段が請求されたりといったものが話題になりました。
日常のあらゆる所に詐欺被害の入り口は転がっていますので、皆様ご注意下さいませ。